今まで廉価版iPhoneのうわさについて、「それはありえない」と主張してまいりました。その理由はいつもユーザーエクスペリエンスを大切にするAppleが「中途半端で妥協の産物の様なiPhone」を出すはずがないと思ったからです。
もうひとつの理由はiPhone 5と別にiPhone 4/4Sも廉価版として併売されていることから、この期に及んで廉価版iPhoneはないだろうと思うからです。
しかし、ここで頭を柔軟にして「もし廉価版iPhoneがあるとすればどんな理由があるだろうか」と考えてみました。
実は為替レートだけで語れない物価
いきなり話は飛びますが、2年くらい前に北京へ行った時のことです。タクシーの初乗りは3キロまでで10元(約150円)でした。東京の地下鉄初乗り160円より安いですね。
ちなみに東京のタクシーの初乗りは2キロまでで710円ですから、北京の4.7倍の値段です。そう考えると「北京のタクシーは安くていいなぁ」と思いますか?日本人旅行者にとっては確かにそうでしょう。しかし、北京に暮らす人達にとって物価は収入と大いに関係があります。
日本人の平均年収は2010年で412万円でした。(参考ページ)しかし北京の人達の平均年収は2011年で78.5万円です。日本人の約五分の一の収入です。そう考えると北京のタクシーの値段はそこの住民にとって必ずしもすごく安いというわけではありません。
言いたかったことは、廉価版として販売されているiPhone 4、4Sが、世界中の人たちみんなにとって本当に安いかどうか甚だ疑問だということです。
マニラでiPhone 4Sは東京の12倍高い?
ここでThe Fiscal Timesに掲載されていた記事をご紹介します。
この記事の中で世界中の物価と収入を調査したUBS Reportというものが紹介されています。このレポートには各国の都市住民の収入と物価を考慮し、労働時間に換算した興味深いデータが掲載されています。
この表の中でまず東京を見てみましょう。東京の住民の平均収入とそれを得る労働時間からモノの価値を見ています。東京ではビックマック1個買うのに9分働く必要があります。1kgのパンを買うのに15分、1kgの米を買うのに15分、iPhone 4S 16GBモデルを買うのに35時間(約5日)働く必要があります。東京の場合、だいたい時給1,600円くらいで計算されている様ですね。
米国ニューヨークの人がiPhone 4Sを買うためには27.5時間(約4日)働く必要があります。ということは東京より若干収入が高いかiPhone 4Sが安く買えるのかもしれません
一番労働時間が少ないのはスイスのチューリッヒでiPhone 4Sを買うのに22時間の労働ですみます。このデータの中で一番労働時間が多いのはフィリピンのマニラで、iPhone 4Sを買うのに435時間働く必要があります。これは実に東京の12倍ということになります。
もうおわかりと思いますが、仮に東京とマニラでiPhone 4Sが同じ価格で販売されていたとしたら、マニラの人の収入は東京の12分の一になります。そうするとマニラの人にとって、iPhone 4Sは東京の人より12倍働かないと買えないということなのです。こうしてその都市の住民の賃金に対する労働時間で比較すれば、かなり公平に比較することができます。
世界中の人たちにiPhoneを使って欲しい
UBS Reportのデータを見ていくと、東南アジアや中国、インドなどの人々にとってiPhoneは必ずしも安い買い物ではないということが見て取れます。
米国ではiPhone 4が0ドルで販売されています。それより安い価格はないと思われるかもしれません。しかし、このiPhone 4はキャリアがコストを負担しているのだと思います。ということは、ひいては通信料としてユーザーが負担させられているに違いありません。
途上国の人たちはおそらく米国人のように高めの通信料を負担できないでしょうから、iPhone 4であっても決して無料とはいかないのです。
そんな中でAppleがもし「世界中の人たちにこのすばらしいiPhoneを使って欲しい」と願っているとしたら、Appleが廉価版iPhoneを作る可能性はあるのではないでしょうか。
しかしそれは決して妥協の産物ではなく、安価だけれどもAppleがベストを尽くしたものになるはずです。そんな廉価版iPhoneなら、ぜひ見てみたい気がしますね。
(本文おわり)
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NTT本社からの指摘もあったりで、今度の信憑性はどうなんでしょうか。
仮に出たとして、プラスエリアは掴めるんでしょうか。